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どんな宝石より 心奪われたんだ

【ネタバレあり】ミュージカル「ブロードウェイと銃弾」在宅レポ

どうも。

 

髙木くんと城田優さんのダブル主演のミュージカル「ブロードウェイと銃弾」の配信を観た。今回はジャニーズタレントが出演している公演では初めて「johnny's net online」ではない配信コンテンツを用いて見た。ペイジー決済できなくて困惑したわ…。あとGo To イベントって何?(ググれ) 

こちらも知念くんの「照くん、カミってる!~」と同様に就職活動の都合上泣く泣く申込を断念。配信を熱望していたので、今回も決まって嬉しかった。外部コンテンツでの配信は驚いたけど。

私はミュージカルや演劇のファンではないただのキャスト目当てのにわかなので、あくまでミュージカルには詳しくない素人の個人的感想として読んで頂きたい。あと、原作は未視聴なので、何か解釈違い等あったら優しく教えて頂きたい。

 

公式サイト記載のあらすじは以下の通り。

舞台は1920年代、禁酒法時代のニューヨーク。

劇作家のデビッド(髙木くん)はヒット作を出せず、彼女のエレン(愛加あゆさん)もそんな彼にイライラを募らせていた。そんな中、とうとうデビッドはかねてからの念願が叶い自分の戯曲をブロードウェイの舞台にかけることになり、大いに張り切っている。しかし、プロデューサーが見つけてきた出資者はギャングの親玉ニック橋本さとしさん)。しかもキンキン声でろくにセリフも言えない、大根以下の自分の愛人オリーブ平野綾さん)を主演にするよう要求し、部下のチーチ城田優さん)を監視役として送り込んできた。さらにプライドの高い主演女優ヘレン瀬奈じゅんさん)は脚本を書き換えろと色仕掛けで迫り、一風変わった女優のイーデン保坂知寿さん)は周囲を振り回し、名優だが過食症で女癖の悪いワーナー(鈴木壮麻さん)はオリーブと怪しい関係を持っている。ひとクセもふたクセもある出資者や俳優たちが次々と無理な注文を繰り出してくるハチャメチャな状況に芸術至上主義でマジメなデビッドは困惑を極める。

そこになぜか、大騒ぎの稽古模様をずっと観察してきたチーチまでが脚本と演出に口を挟んでくる。舞台を完成させたい一心のデビッドは、数々の妥協を余儀なくされその度に頭を抱えてしまうが、チーチの提案は、芸術に縁遠いと思われたが的確な意見ばかりであることに気づく。デビッドと、実は舞台を愛するチーチは、共に苦心して脚本を書き直し、事態は思わぬ方向へと展開していき…。

舞台と人生、どちらが大切か― 大きな選択を迫られた彼らが選ぶものとは!?

 

だいたいここまでは第1幕。そして、続きがこちら【ネタバレ注意】(wikiより引用)。

 

最初は口出しをしないでくれと怒ったデビッドだが、チーチの言うことが正しいことに気づき、彼と共に脚本を書き直したおかげで舞台は成功する。一方、デビッドはエレンに内緒で、ヘレンの誘惑に負け、ワーナーはオリーブと性的関係を持つ。オリーブに耐え切れなくなったチーチが「俺の芝居を台無しにした」と彼女を殺してしまい、そのことに気付いたニックはチーチの始末を部下に命じる。

本番中の舞台裏で撃たれたチーチは今際の際でデビッドに主人公に最後に言わせる台詞を伝える。チーチによる脚色で舞台は大成功を収めるが、それまで浮かれた状態にあったデビッドはようやく正気を取り戻し、エレンの元に戻る。

 

まず率直に登場人物のキャラが濃い!! 

真っ先に思い浮かんだのはオリーブね。舞台に1人は居るとち狂った登場人物。死に方まで狂ってたよね。声だけの描写だったけど、銃弾3発浴びてまだ這ってくるの恐怖だわ(笑) チーチもそりゃありったけの銃弾ぶち込むよ。人が死ぬシーンで初めて笑ったわ、なんだあれ(笑) しかも競走馬用のサプリメントってそれ人が服用していいのか(笑)

ニックは直前に部下であるチーチを殺すよう命じといて打ち上げ?のシーンで綺麗ごとを言ってて笑っちゃったよ、お前が何を語ってんねん(笑)

チーチは結構謎多き登場人物だったな…。「あれだけの脚本の才能がありながらなんでヤクザやってたのか」とか、「そもそもなんで脚本の才能があったのか」とか。ただ、デビッドの舞台をしれっと乗っ取ろうとしていたり(「何が「俺の舞台」やねん、ヤクザの分際で調子乗んな!」と思った)、自分の理想の舞台のために人を殺すのはちょっと頂けないかな。

デビッドはとりあえず後日絶対また浮気をすると思うから、エレンはすぐ逃げてほしい(え)。あれだけヘレンの誘惑にメロメロだったのに、最後にエレンに戻ったのはさすがに虫が良すぎるだろと。エレンが健気でよかったね。にしてもゴーストライターの存在を自白したデビッドはその後も脚本家としての評価は得られたのだろうか…。ってなんで私はこんなにデビッドの将来を心配しているんだろう(笑) ただ、自分の作った劇を成功させたいという気持ちが本物なのは伝わったし、自分の理想の演劇のためにオリーブを殺した(上にそのことを悪びれてない)チーチをちゃんと咎めたのは良いなと思った。

この作品の一番の常識人はエレンだと思う。一途だし、彼氏のことをいつも気にかけていて、完璧な彼女すぎない?正直浮気癖のある売れない脚本家のデビッドなんて釣り合ってないよ…(散々な言いよう)。

そんなエレンが「ボストンは寒いから」と折角デビッドに持ってきてくれた青のセーターを駅のホームに落としたヘレンね(このシーンを私が見落としていたのか分からないけど、ヘレンがセーターを落としたシーンが配信で抜かれなかった気が…。だからデビッドがセーターをわざとホームに落としたと思った。他の方から聞いて知った)。あんな偉そうな女優いるのかよって思うけど、実際芸能人に遭遇した友人や知り合いの話を聞くとあながち「フィクションの世界の話じゃないんだな…」と思う。一度ちやほやされると色々と勘違いしちゃう人もいるんだろうね…怖い怖い。

一応主役はデビッドとチーチだけど、正直誰が主役か分からないくらい、他の主要登場人物の出番も多く、主役が出ていないシーンも多かった。特にチーチは途中で殺されるから最後の打ち上げのフィナーレシーンにはいなかったし。アンサンブルの方が演じられていた役も含め、全員が主要キャスト、と言う印象だった。

 

 先に観劇前から不安要素だったことを言うと、演出家が福田雄一さんであること。福田さんはかねてから「作品の質を重視しない」「演技指導も殆どしない」所謂バラエティ番組風演出だと言われており、演劇ファンの間では好み・評価が大きく二分される方だと伺っていた。「銀魂」のような原作自体が相当ぶっ飛んだ作品ならキャスティングさえ良ければハマると思うが(実際ハマっており、原作ファンからも評価はかなり高かった)、ハマらなければ只管俳優によるよく分からない茶番劇が繰り広げられダダ滑り、と言うギャンブル的要素が福田さんの演出・監督にはある。私は後者のようになってしまっていないかを懸念していた。

案の定、序盤から福田節トップギアとも言えるような中々にカオスを極めた展開だった。また、前半はあまり話が進まないのもあり、ただただ騒がしいコメディが30分以上続き、序盤で若干飽きが来てしまった。序盤からトップギアだと見る側が疲れてしまう可能性があったなと(原作もこの調子だったのなら申し訳ないのだが)。その飽きを乗り越えた後半は、デビッドとエレンが一度別れたり、オリーブがチーチに殺されたり、チーチがニックの部下によって殺されたりと物語が短時間で一気に進んだことでコメディシーンのくどさはかなり薄まった印象(ノリに慣れたのもあるかもしれない)。生で観て劇場の臨場感があれば印象は違ったかもしれない。

 

最後に気になった俳優さんについて。

個人的にかなり楽しみにしていたのが平野綾さん。と言うのも、私は平野さんの声優としての代表作である「涼宮ハルヒの憂鬱」が好きで、私の中では「平野綾さん=声優」のイメージが強く、ミュージカル女優としての平野さんがあまり想像つかなかったから。声優時代もそうだったけど、地声と歌声のギャップが凄いよね。平野さんって地声がアニメ声だから、それがオリーブのキンキン声として生かされていてナイスキャスティングだった。声優当時からステージパフォーマンス力の高さは一線を画していたし、ミュージカル女優進出も納得だったというか。今回は色物役だったけど、本当に目立ってたなあ。いい意味で主役を食ってた。

「オセロー」で檀れいさんの演技を見てから、毎回自分が観る作品に宝塚のOGの方が出られるとなると本当に楽しみで。今回は愛加さんと瀬奈さんが出演されていて、愛加さんはあのほっそい体からどうやったらあの声量が出るのか…。瀬奈さんはまさにヘレンのような大御所女優のオーラが出ていた圧巻の演技。生で見たかったなあ。

正直、ダブル主演とはいえ、髙木くんが主演のミュージカル、それも外部主催のものが来たときは驚いた。私の中では髙木くんはそこまで歌唱メンのイメージはなかったから(薮担ゆえに偏った認識になっているのは承知なので、髙木担の方との解釈違いがあったら本当にすみません)。他のキャストさんがやっぱり経験値が桁違いなのもあって声量とかはまだまだ努力の余地はあるなと思ったけど、音程はばっちり取れていたし、のびのびと演技が出来ているのが伝わってきた。JUMPのパフォーマンスにもかなり生かせるのではなかろうか。次のコンサートも楽しみだ。

同じく主演を務められたのが城田優さんで本当に良かったと思う。ヤフーか何かに載っていた城田さんのインタビューを読んだが、初めてのミュージカルでしかも主演で豪華キャストに囲まれてガチガチだった髙木くんをほぐしてくれたと。髙木くん自身も何度も「周りに恵まれた」みたいなことを話しているし。城田さんは仲間思いなイメージがあるし、今後も髙木くんと仲良くして頂きたいなと一ファンながら勝手に思っていたり。あと個人的にチーチのオリーブモノマネがツボ過ぎるから「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」出てほしい(え)あとカーテンコールの最後に配信のカメラに向かって投げキッスをするように髙木くんを誘ってくれたの、マジでっかい感謝。本当にジャニーズ出演の舞台の共演者さんはカーテンコールでこうやってジャニーズタレントのファンが喜ぶことをするように気を利かせて下さる方が多くて、毎回共演者さんが好きになる(ちょろい)。

 

そんな感じかな。ちょっと演出・脚色面でくどさはあったけど、キャストの皆さんの演技は映像でも伝わるレベルで圧巻だったし、ミュージカルはそれこそ生で見てなんぼなところがあるので(実際映像で抜かれなかったがゆえに違う解釈をしてしまったシーンがあった)(教えてくれたフォロワーさんマジでっかい感謝)、生で観たかったという思いが募った。

次のJUMPメン出演舞台はついに生の観劇のチケットが取れたので、俳優さんの生の演技を浴びるのが楽しみだ。

 

では。