終わらないで Fantasy

どんな宝石より 心奪われたんだ

【ネタバレ無し】ジャニーズが好きなら絶対に「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」を観に行ってほしい件。

どうも。

 

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嵐のデビュー日である11月3日にドルビーシネマで先行公開された「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」を観に行った。まだ全国公開は始まっていないのでドルビーシネマでの鑑賞だった。

この映画は、前代未聞の237万人以上を動員した嵐の20周年ツアー中の2019年12月23日に、ツアー公演とは別のくくりで「スペシャルシューティング」と称して開催されたライブの映像である。237万人には、この映像に写っている5万2000人のファンは含まれていない。撮影に使用されたカメラは実に125台。前例のなかったドローンを用いた撮影も行われた。

今年6月に上海国際映画祭に出品された作品がいよいよ日本で公開された。

 

「ドルビーシネマ」も聞きなれない人は少なくないと思う(私は知らなかった)。この映画の公式サイトに小難しく書かれているが、要するに、「最先端の映像・音響技術と良質な劇場空間でまるで映画の中に入ったような没入感を味わえる最先端シアター」と言う感じ(違ったらすみません)。このドルビーシネマがある全国7か所の劇場で11月3日から先行公開が始まったのである。

 

なるべくネタバレが無い状態で観たかったので、先行公開1週目のチケットを取った。生で観に行った上に映像でも観たはずのライブだったのに、色んな感情が込み上げてきて、箱ティッシュを持って行った自分に感謝した。以下の感想はライブ内容のネタバレは無いつもりだが、先入観が無い状態で観たい方の閲覧は自己責任でお願いしたい。

 

ドルビーシネマの謳っている「没入感」の意味がよく分かった。行く前は、「壮大なDVD鑑賞会」のイメージだったが、臨場感が桁違いだった。映像は画質や色彩等のコントラスト・鮮やかさが大違い。音響もライブでの聞こえ方にかなり近かったと感じた(ライブ特有の音の質感がかなり再現されていた)。嵐のライブに行った時の感覚がみるみる蘇ってきた。これは凄い。ライブ映画を見るのにかなり適している。「通常の劇場でいいや」と思っている人も、大人だと500円高くなってしまうが、ドルビーシネマでの鑑賞もぜひ検討してほしい。

この、「嵐のライブに行った時の感覚」があまりにも久しぶりだった。圧倒的なスケールで作り上げられた映像、照明、演出が、自分の精神を作り上げた楽曲たちと嵐のメンバーやスタッフさんの膨大な熱量と一体となって目から、耳から、熱気から脳に直接流れ込んでくる感覚。嵐のライブには毎年のように行っていた訳ではなかったので、ライブに行く毎に「久しぶり」のはずだったのだが、その頃はまだジャニーズを熱心に追っかけていて色んなグループのライブに行って熱狂していた日々だったのもあり、感覚を取り戻すのも早かったのだろう。オタ卒したことに加えて、コロナ禍も相まって、忘れかけていた(むしろ思い出さないようにしていた)感情が自分の心の奥底から湧いて出てくるような、これまでに味わったことのない高揚感だった。

気持ちが昂る一方で、「こんなに幸せな気持ちになれるエンターテインメントが、もう行われることはない(可能性が限りなく低い)」事実を思い出して絶望した感情もあった。私が上記の感情を無意識のうちに封印していたのは間違いなくその"絶望"があったからだ。「嵐が"伝説"になってしまったこと」への喪失感は今もなお消えない。

 

撮影がコロナ禍前なのもあり、今では考えられないほどの大観衆が詰めかけ、大歓声が沸き起こっている。やはり、観客の熱量・熱気はライブにおいて大きな役割を果たしていると痛感した。アラフェス'20や昨年末のラストライブは無観客で客席に設置された制御ライトの演出があったが、やはり人の手で音楽のリズムに合わせて揺れるライトや、メンバーに向かって手を振る動きをするライトとは全然違う(これは先日とあるアイドルグループの有観客ライブに行った際に感じたこと)。ライトの動きだけでも観客が盛り上がっていることはある程度伝わる。「最後に嵐にまたこの景色を見せてあげたかった」と言うやり場のない想いが改めて湧いてきてしまった。

 

125台のカメラを使っているだけあって、普段私達がBlu-rayや配信等で見るようなライブ映像とは全く異なる視点の映像が盛りだくさんだった。メンバーにかなり寄った映像、メンバー目線の景色の映像、ファンだけが映っている映像、高い位置から撮影した映像、ドローンで撮った映像等。普段のライブ映像を映画館で放映しているだけだと考えていると、意表を突かれるだろう。特に、無数の無線制御ライトが輝く客席は圧巻だった。私は「無線制御ライトの凄さ」を色々な人に語っているのだが、これが実際に体感したことのない人には普段のライブ映像ではなかなか伝わらない。しかし、この映画ではメンバーがステージから見た客席の様子も何度も鮮やかに見ることが出来るので、無線制御ライトの凄さが伝わりやすいと思う。

 

この映画は嵐ファン、嵐のファンだった人はもちろんのこと、「嵐を通らなかったけどジャニーズのグループを応援している人」には絶対に観に行ってほしい。私が大学の教員なら単位取得に必須の課題にするところだ。

嵐の活動休止が迫っていた2020年頃から、後輩ジャニーズの口から「(嵐のような国民的ともいわれるくらい)大きなグループになりたい」と言う発言が増えたように感じる。一口に「国民的」と言いがちだが、では「国民的」とは何か?「国民的」になると何が出来るのか?何が出来れば「国民的」になれるのか?様々な要因があるが、「ライブエンターテイメント」における「国民的」の回答例のようなものがこの映画の2時間半に詰め込まれているように思った。10年以上ジャニーズの、日本の芸能界のトップを走り続けて伝説になった嵐が20年(当時)で作り上げた「世界」を知って欲しい。「こんなに凄いグループが日本に、ジャニーズにいたことが誇らしい」と思えるかもしれない。はたまた、想像をはるかに超える大きさで、「レベルが高すぎる」と絶望するかもしれない。『Love so sweet』や『Happiness』しか知らなくても全然かまわない。楽しめることは保証する。嵐ファンを経験していないジャニーズファンの方の感想をぜひとも聞きたい。

どうしても予習したいのならば、「ARASHI Anniversary Tour 5×20」のDVD&Blu-rayが出ているので、それを見るのをオススメする。盤と映画で撮影手法や編集、鑑賞手段が全く異なるので、予習した上でも十分楽しめるはずだ。

 

ただ、一つだけ惜しかったことがある。ペンライト振りたい!!!踊りたい!!!通常のシアターで良いので、応援グッズ持ち込み可の(勿論声出し禁止の)応援上映の機会が欲しいものである。

 

では。