【ネタバレあり】「ウェンディ&ピーターパン」レポ
どうも。
中島裕翔くん&黒木華ちゃん主演の舞台「ウェンディ&ピーターパン」を観て来た。なんと、ジャニーズタレントが出演する現場は2020年2月の桐山照史くん主演の「泣くロミオと怒るジュリエット」以来1年半ぶり。え、そんなに経った?正直、配信ライブはいくつか見たから現場を我慢し続けたという実感はないのだが…。その間に私はジャニオタも卒業してしまったし、つまりは非オタとして初めての現場となった。
今回の会場は渋谷にあるオーチャードホール。偶然にも「泣くロミオと怒るジュリエット」が行われたシアターコクーンと同じ建物にある、別の劇場だ。オーチャードホールはオーケストラのコンサート等も行う、2000人以上を動員できるかなり大規模な劇場。ただ、その割には入り口やロビー(1階)が結構狭かったなと言う印象。建物自体は新しい方なので、中は綺麗で清潔な印象を受けた。
そんな懐かしさと新鮮さが入り混じった現場の感想を書いていく。あくまで演劇専門家でもない1人の素人の超個人的な感想であること、読者の方とは解釈の違い等ある可能性があることをご了承ください。
まず、公式サイト記載のあらすじは以下の通り。
1908年のロンドン。ダーリング家の子供部屋。ウェンディ(黒木華さん)、ジョン(平埜生成さん)、マイケル(前原滉さん)、そして体の弱いトム(下川恭平さん)は戦争ごっこをしながら部屋中を飛び回っている。そこへ両親であるミスター&ミセス・ダーリング(堤真一さん、石田ひかりさん)が入ってくる。家族が揃った姿は幸せそのもの。
その晩熱を出したトムを医者に診てもらうも、診立てはあまりよくない。やがて皆が寝静まった遅い時間に子供部屋の窓からピーター(裕翔くん)がやってきてトムを連れ去っていく…。
それから1年後のある日の夜、子供部屋の窓が開き、再びピーターパンが現れる。驚くウェンディはジョンとマイケルを叩き起こし、トムを探すためにネバーランドへとピーターたちと共に旅立つのだった。
登場人物は以下の通り。(ディズニーのサイト、ディズニーwiki、Wikipedia記載の原作設定を参照しつつ、この舞台での独自設定を追記)
ウェンディ…ダーリング家の長女。面倒見がよく、弟たちの面倒を見たり、両親の心配を常にしている。
ピーター…ネバーランドに住む少年。自由に空を飛ぶ。純粋で気まぐれな性格で、何を考えているのか分からない。
ジョン…ダーリング家の長男。猪突猛進な面があるが元気いっぱい。
マイケル…ダーリング家の次男。生きものや植物が大好き。
ティンク(富田望生さん)…きらきらと金の粉をまき散らしながら宙を舞うふくよかで口が悪い妖精。やきもち焼きで、ピーターを守ろうと、いつも彼のそばにいる。
タイガー・リリー(山崎紘菜さん)…ネバーランドに住む剣使いの少女。種族の生き残りで気の強い性格。
スミー(玉置孝匡さん)…フックの手下で海賊船の乗組員。フックに忠実。お調子者で冗談ばかり言っている。
ミセス・ダーリング…ウェンディたちの母親。世間体ばかり気にする夫に愛想を尽かしている。ネバーランドの存在は、否定していない。
ミスター・ダーリング…ウェンディたちの父親。妻には理想的な良妻賢母であって欲しいと思っている。社会的地位も大事にしている。
フック(堤真一さん)…海賊の船長。ずる賢く残忍で危険。自分の左手を切り落としてワニに食べさせたピーターを憎み、復讐の機会を狙っている。
カーリー(新名基浩さん)…ピーターと共に行動するロストボーイズの一員。
スライトリー(田中穂先さん)…同。
トゥートゥルズ(中西南央さん)…同。
トム(下川恭平さん)…ダーリング家の三男で末っ子。体が弱く病気がち。病に倒れた日にピーターによってネバーランドに連れていかれ、行方不明となる。
ドック・スウェイン(本折最強さとしさん)…フックの手下。
ノック・ボーン・ジョーンズ(井上尚さん)…同。
マーティン・ザ・キャビン・ボーイ(坂本慶介さん)…同。
マート・ザ・バット(保土田寛さん)…同。
※以上の手下の一人が物語で重要な役割を果たすのですが、役名が分からず、その手下をビジュアルがひょろっとしていたので「ガリガリ」と呼びます。記憶力が無くてすみません。公式サイトを見てもどなたか分からなかった…。分かる方は優しく教えて下さるとありがたいです。
ドク・ジャイルズ(宮河愛一郎さん)…トムを診察する医師。
ワニ(同)…ネバーランドの海に棲む大きなワニ。ピーターが切り落としたフックの左手を食べ、味を覚えてからはフックを食べようとしつこく追い回している。目覚まし時計を飲み込んでおり、近づいてくると時計の針の音が聞こえる。
以下、続きのあらすじ。1回しか観ていない&今後の観劇予定もないので、完全に記憶を頼りに書いています。何か間違っていたら優しく教えてください。
(※ネタバレがあります。今後観劇予定の方の閲覧は自己責任で宜しくお願いします。)
トムが行方不明になって以来バラバラになったダーリング家。ジョンは神経質になり、マイケルは極度のオタク気質になってしまった。また、ミセス・ダーリングは世間体ばかりを気にするミスター・ダーリングに愛想を尽かして荷物をまとめて家を出て行ってしまう。ウェンディはそんな家族を修復するため、トムを見つけ出すため、弟たちと共にネバーランドへ渡った。ウェンディは空を飛んでいる所をトゥートゥルズに矢で撃たれて森に墜落した(ただしウェンディはピーターからもらったものによって守られ無事)。そこに海賊が襲来し、ウェンディは捕らえられそうになるが、何者かに助けられた。その後、ウェンディはピーターや弟たち、ロストボーイズやティンクにトムを探す協力を求めるも、誰も聞く耳を持たず、うんざりしてピーターの住処を出ていった。森の中で、ウェンディはタイガーリリーと出会った。海賊戦で自分を助けてくれたのは、タイガーリリーだったことを知ったウェンディはタイガーリリーにトム探しの協力を求めた。2人がやり取りをしているところに再び海賊が襲来、タイガーリリーは怪我を負い、ウェンディはフックの手下に囚われるもピーターは助けてくれず、ウェンディはガッカリし、そのまま海賊に連れ去られた。ピーターは油断した隙にフックに刺されてしまった。(1幕)
ティンク、弟たち、ロストボーイズによって葬式が営まれていたが、仮死状態だったピーターは目を醒ました。一方その頃、海賊船に連れていかれたウェンディとタイガーリリー。ウェンディはガリガリに「自分は海賊に向いていない。ロストボーイズになりたい」と打ち明けられた。ウェンディはフックに「ピーターの住処を教えるか、タイガーリリーを見殺しするか」の選択を迫られ、ピーターの住処を教えたと同時に、タイガーリリーと共に海に飛び込んだ。それを見たガリガリも海に飛び込み、海賊船を脱出した。ウェンディが死んだと勘違いして失望していたピーターはティンクから「ウェンディは海賊に捕らえられている」と伝えられ、弟たちやロストボーイズに空き地で特訓するよう指示し、自分は海賊船・ジョリーロジャー号に乗り込もうとするも、ティンクに眠らされて止められてしまった。すると、住処にフックが襲来し、ティンクは目覚まし時計を使ってフックを苦しめた。その間にピーターは目を覚まし、フックを追い返すことに成功、そのままジョリーロジャー号に向かった。しばらくして、ウェンディとタイガーリリーが住処にやってきた。ティンクがウェンディに彼女がいない間に起こった出来事を説明すると、ウェンディは「住処をフックに教えたのは自分だ」と謝罪した。ティンクは憤慨し、ロストボーイズやピーターに愛されているウェンディへの妬みを吐くと、ウェンディは「彼らは自分のことをただの母親役としか思っていない。本当に彼らから愛されているのはティンクの方だ」と説得した。ウェンディに「自分はあなたたちのようには強くない。だからあなたたちの力が必要だ」と懇願されたタイガーリリーとティンクはウェンディの作戦に同意し、同盟を組んだ。ウェンディとタイガーリリーは先にジョリーロジャー号に向かい、ティンクはガリガリに出会った。ガリガリはもう海賊の味方に付くつもりはないと分かったティンクは、空き地にいる者への伝言をガリガリに頼んだ。ガリガリは空地へ向かい、弟たちやロストボーイズにティンクからの伝言を伝えるも、その最中にフックの手下に見つかり、全員捕らえらえれてジョリーロジャー号に連行されてしまった。そこに、ピーターと女子3人が乗り込み、大熱戦の末、手下、スミー、フック全員を倒し、ジョリーロジャー号を制圧することに成功するも、タイガーリリーは犠牲になってしまった。戦いの後、ジョンはタイガーリリーと運命を感じたこと、マイケルは自分に勇気があることをお互いに話した。また、ピーターはロストボーイズが生まれる経緯と、トムはネバーランドを連れて来られた後に星になったことをウェンディに伝えた。後日、平和になった森に、トムが現れた。再会を喜ぶ3きょうだいだったが、トムはダーリング家の記憶をなくし、ロストボーイズに生まれ変わっていた。トムと一緒に暮らせないことを悲しむ3きょうだいだが、「家族5人が幸せに暮らすことがトムのためだ」と決心し、元の世界に旅立った。元の世界では、ミセス・ダーリングが家に戻っていた。彼女が家を出たのは夫の負担を減らすべく仕事を始めるためで、ミスター・ダーリングが単に妻が出て行ったと誤解しただけだった。トムと出会えたことで未練がなくなった3きょうだいは両親と再会する。蟠りがなくなったダーリング家の5人はスケートに行こうと準備を始める。ウェンディはトムに会えたとミセス・ダーリングに伝えると、ウェンディのポケットに入っていた妖精の粉を見たミセス・ダーリングはそれを否定することなく受け止めた。そんなダーリング家の様子をピーターは窓の外から見守っているのだった。(2幕)
全体の率直な感想としては、キャストが豪華すぎてみんな演技が上手すぎる(あたりまえ体操)。キャストの情報が出た時点でその豪華さは話題になっていたし、私自身もかなり期待していたが、想像以上だった。
黒木華さんはウェンディの純粋無垢な心の美しさを表現されていた。
富田望生ちゃんは「宇宙を駆けるよだか」の演技が凄かったのを色んな人から伺っていたから最も楽しみにしていた共演者さんなんだけど、想像以上。ティンクの性格のキツさと根の優しさがとても伝わってきて、確実にこの作品中のアクセント的存在になってた。蘇生時に「うっせえな」みたいなセリフを吐き捨てるように言うのが最高だった。この舞台で望生ちゃんが気になった方はぜひネットフリックスで「宇宙を駆けるよだか」も見てみてください。
山崎紘菜ちゃんはとにかくかっこいい(語彙)。実は「ドラマ「カインとアベル」で山田くんとキスする役だった女優さん」と言うイメージしかなかったんだけど(ごめんなさい)、171 cmと言う長身が赤くてスタイリッシュな衣装を着こなしているのと演技の相乗効果で、男勝りでおそらくこの作中で誰よりも勇敢なタイガーリリーの勇ましさが出ていた。
玉置孝匡さんは5月に行われた知念くん主演の舞台「照くん、カミってる!」で明智万次郎役で出てた方だから、声ですぐわかった(笑) そしてスミーも万次郎みたいにお調子者で只管ボケ倒す役だから、本当に玉置さんが喋るたびになんか懐かしくて面白くて(笑) スミーが「明智万次郎です!」と言い出すんじゃないかと思ったくらいノリが似ていて(笑) また玉置さんの演技が見てみたい。
恐らく舞台裏で最も忙しいキャストの一人であろう堤真一さん。まさかの主要キャスト2役って凄すぎて。既に観に行った方の「堤さんが凄い」と言う感想をいくつも目にしていたが、想像以上。フックが出てくると物々しい雰囲気が一気に舞台上に漂うかと思いきや、ミスター・ダーリングとして出てくると頼りない旦那としてなよなよとした空気になる。衣装も何度も着替えがあって本当に大変だろうな…。
他のキャストの方で個人的にびっくりしたのはトムを演じた下川恭平さん。最後のカーテンコールでフォークダンスをキャスト全員でやるんだけど、下川さんがセンターでキレッキレのダンスを披露するから驚いた(笑) めちゃくちゃ踊れる方なんだね。
そんな中での裕翔くんなんだけど…私が見た印象ではちょっと他のキャストさんに押されていた印象だった。ごめんね。外部舞台は脇役のキャストもすごい豪華な人で固められるから、主演で出るとなると相当な演技をしないとやっぱり脇役の方に押されて圧倒されちゃうんだよね。過去にもいくつか外部の舞台に出ているジャニーズを観に行った・配信で観たけど、なかなかそういう圧倒的な共演者さんに負けない演技をしている人ってそんなにいない。やっぱり舞台には舞台の難しさがあるんだなと言う所存。でも、フライングするときの姿勢の良さとか、ロストボーイズや弟たちとひょうきんに遊びまわる演技とかは地の裕翔くんの良さが存分に生かされていたと思う!!あとは、自分の元々の特質を生かすわけではない演技がもっと輝くといいな…と言う個人的な感想です。
ストーリーやキャラクターに関しては、正直結構共感できないところが多かったかな…。まあ原作が思いっきりファンタジーだし、非現実的な展開やキャラクターがいることは仕方がないんだけど。
まずこの物語は全編通して人の話を聴かないキャラクターが多すぎる!!!特にピーター側はピーター筆頭に本当にみんな人の話を聴かないんだよな…。あんなに面倒見が良いウェンディがうんざりして出ていくのも分かる。私も出ていくと思う(え)。まあでも言うてウェンディもそこそこ強引なんだよな…。でもピーターよりは自分の意志に則ってちゃんと考えて行動できるから私的には全然許せる。自分の願いを叶えるには多少の強引さは必要だと思うし。あとミスター・ダーリングもそれなりに人の話を聴かないよね(笑) でも最後にはそれを反省していたから、きっとこれからは気を付けて生きていることを願う!ウェンディはミスター・ダーリングの頑固さとミセス・ダーリングの面倒見の良さ・優しさを受け継いだ子なのかなとか思った。
個人的に一番理解に苦しんだキャラクターはピーターなんだよね(まさかの主役)。ピーターが何も考えていないように見えるのはすぐ忘れちゃうからで、それは自分が記憶によって傷ついたから、って言うのは分かるんだけど、それにしては流石に冷たすぎるって言うか。ロストボーイズは多分基本的に何も考えていないちゃらんぽらんな種族だからピーターのそういう性格でも苦にはならないんだろうな~って言うのは分かるんだけど、愛しているウェンディの目的を全く理解せず協力するそぶりを微塵も見せないのはちょっと引いたなあ…。ウェンディがいなくなってその大切さに気付いていたけど、遅いよ。幸いにもウェンディは海賊に連れ去られただけだったけど、もし本当にウェンディが死んじゃってたら一生後悔して生きることになったんだからね!?
それを言うと海賊側の方が結構素直な人が多いなと思ったり。フックは「ピーターと戦いごっこのような関係でいたい」と言う自分の深層心理に気づけたし、ガリガリは「海賊に向いていない」と言う気持ちをウェンディの行動に触発された形ではあれど実行してピーター側に回れたし、スミーに至ってはフックに面白おかしいラブコールしまくりだったもんね(笑) 超肉食系男子スミー(笑) フックは折角ピーターと戦いごっこの関係でありたいと思えたのに、ピーターによって海に落とされてそのままワニに食べられちゃったのが可哀そうだった。
特に今回の舞台で好きなキャラクターはスミーかな。部下として最高な存在だと思うのよね。フックの身代わりになることが至上の幸せだと感じていたくらい最期までフックのことを心から敬愛していて、その気持ちを言葉で面白おかしく常に伝えていて、フックの機嫌を常に取ろうとしていて。こんな部下がいたら一生可愛がっちゃうな(笑)
以上。そんな感じで久々のジャニーズ関係現場は主人公の言動の理解に苦しみ若干の消化不良になってしまった感は否めないが、素晴らしい演技を堪能できたので満足している。今のところ次の現場は決まっていないが、ボチボチコンサートも行きたいなと言う所存。(でも乃木坂46の東京ドーム公演も延期だし難しそう)
では。