終わらないで Fantasy

どんな宝石より 心奪われたんだ

青春のカウントダウン 〜嵐の活動休止に寄せて

大学の課題であるレポートをやる気がいまいち起きなかった日曜日。ベッドでゴロゴロしてたらいつの間にか寝落ちてしまい、ハッと目が覚めてなんとなくLINEを確認した矢先、LINE NEWSの速報に目を疑った。

 

「嵐が2020年で活動休止 公式ファンサイトで報告」

 

普段なら寝起きは声が出ないはずなのに、はっきりと「は?」と声が出た。飲み込みきれなかったものの、Twitterを開いた。どうやらテレビのニュース速報テロップでも流れたようで、既にTLは情報を知った人たち、ジャニオタ・非オタ関係なく大騒ぎだった。

 

私はファンクラブ会員ではないので、ネットニュースに上がっていた5人のコメントに目を通した。そこから分かったことは、

・2017年6月に大野くんから「2020年末をもって一度グループを離れて自由に過ごしたい」という申し入れが4人のメンバーに対してあったこと

・1年ほど話し合いを重ね、2020年大晦日をもって嵐のグループ活動を休止すること

だった。

 

何が起きてるのか、最初の数分間全く飲み込めなかった。コメントを何度も読み返すうちに、「嵐」というプロジェクトが一旦終わってしまう、タイムリミットを告げられたという事実がじわじわと脳に染み込んでくるような形で突きつけられ、自分の心の土台が音を立てて崩れ始めたように感じた。

 

自分語りをするようで申し訳ないが、嵐に出会った9年前、小5の時から、私の心は嵐によって育てられ、私の人生は嵐によって美しく彩られたと言っても過言ではないと思う。人生のターニングポイントで背中を押してくれたのは嵐だ。辛い時の心の支えになってくれたのは嵐だ。感受性が乏しすぎて周りの大人に呆れられていた私の心が揺さぶられるくらい感動する体験をくれたのは嵐だ。私に音楽やエンターテイメントの素晴らしさを教えてくれたのは嵐だ。沢山の素敵な人たちに出会わせてくれたのは嵐だ。具体的なエピソードとなるといくら書いてもキリがないくらいポンポン浮かんでくる。小学生の時から現在の大学生まで、私の人生を語る時にはいつも嵐の存在があった。まさに嵐は私の青春そのもので、今日までの人生そのものだ。

 

そんな私の青春が、偶然にも私が大学4年生になる年に、社会に出る直前に、終わってしまうのである。辛い。正直言って、辛い。もう私は嵐が存在しない世界で生きる方法なんてとうの昔に忘れてしまったのだ。

 

○あまりにも文句の付け所が無さすぎる発表の仕方と記者会見

17時に発表があり、その3時間後、20時にジャニーズ事務所で5人で会見を行った。その数時間後に放送の情報番組を始め、そこから24時間のニュースの殆どはこの会見の様子が流れた。私はこの会見の様子を、確認できる範囲で、色んな番組で見た。いつ、誰が、何を、どうしたのか。我々ファンが知りたい情報を、活動休止の話を持ち出した大野くんだけでなく、仕切りが上手い翔くんや機転の利く二宮くんも間に入りながらしっかりと説明してくれた。記者の中には物議を醸すような質問をする者もいたが、感情的になることなく、しっかり自分たち側のペースを崩さずに、そして大野くんが悪者にならないように説明責任を果たした嵐のメンバー(特に翔くん)を心から賞賛したい。この会見を見て、「でもやっぱり活動休止は辛い、寂しい」と思った人は居ても、「説明が不十分だ」と納得出来なかった人はほぼ居なかったのではないだろうか。また、「Going!」に出演する亀梨くんなど、複数のジャニーズ事務所のタレントもこの活動休止発表についてコメントしていた。発表の時間的に一番最初に事務所内でコメントを求められるのが亀梨くんだったのだが、なんと嵐のメンバーはそれを分かった上で亀梨くんに事前に連絡を入れていたそうだ。また、ここ数年、ジャニーズ事務所のネガティブな話題を週刊誌やネットなどでリークされるケースが多かったが、そういう粗探しする人たちが一番掴みたいであろう嵐のビッグニュースは一切流出がなかった。周りの関係者含め、どこまでしっかりしている人たちなのだろう。ここで、いつの放送だったか思い出せないのだが、「嵐にしやがれ」に、事務所の先輩である東山さんが出演した際に言っていた言葉を思い出した。

「色んなグループを見てきたけど、長続きするかどうかって、その人がちゃんとしてるかどうかなんだよね。個がちゃんとして、更にグループもちゃんとしないと。ファンの人って離れるの早いからね。1人わがままな奴が居たりとか、チームワークが狂ってきたりとか。歪みってね、ファンの人は見逃さないのよ。」

まさにこの通りだと思った。何故嵐が国民的な人気を誇るグループになり、その立場を10年以上守り続けていることが出来ているのか。嵐がちゃんとしているからである。それを見事なまでに証明した会見でもあった。

 

○圧倒的安定感の不動のトップが活動休止…変わりつつある?ジャニーズ事務所のスタンス

昨年から、ジャニーズ事務所にはかなり短いスパンで衝撃的なニュースが舞い込んでくることが増えた。脱退、退所、留学、療養、解散…。この現状に、「ジャニーズ事務所、大丈夫?」と思うかもしれない。正直私も全く思わないかと聞かれたら嘘になる。ただ、「あの利益至上主義のジャニーズ事務所が、タレントの意向を尊重するようになった」とも捉えられるのではないだろうか? ジャニーズ事務所も企業である。利益が出なければ成り立たない。そしてその利益を出すためにはネガティブなイメージを付けないことが不可欠である。そのために、ジャニーズ事務所はタレントにそれなりに無理をさせていたのではないか?と言われていた。そのジャニーズ事務所が、安定して最も利益を出している嵐の活動休止までも認めたのだから、これは相当驚きだった。SMAP以降、ジャニーズグループの寿命はかなり伸びた。嵐が21周年で一旦ピリオドを打つという発表をしたことによって、他のグループの活動期間にも大きな影響を与えるのではないかと思う。

 

○あまりにも大きすぎる、嵐がジャニーズにもたらした恩恵

情報が出るや否や、Twitterの趣味垢もリア垢も、どのニュース番組も、この話題で持ちきりだった。改めて嵐の影響力の大きさを思い知らされた発表でもあった。なんと言っても嵐はジャニーズの入り口としての大きな役割を担った。「ジャニオタ」という括りに入るのを躊躇う人たちがスッとジャニーズの世界に入れるようにしたのが嵐である。嵐でジャニーズの世界を知り、他のグループにも興味を持ち、そっちも応援する、と言った人は数え切れないほどいるだろう(私含め)。JUMPのファンの立場から言うと、2015〜2017年にかけてのJUMPのブレイクは、嵐の力なくては成し得なかったと思っている。VS嵐やニノさんに出演した伊野尾くんを始め、多くのJUMPメンバーが嵐のメンバーの番組に出演させてもらえて、いじってもらえた。それをきっかけに沢山の嵐ファンの方、視聴者の方がJUMPに興味を持ってくれたと聞く。本当に感謝している。

 

○2020年までの嵐の活動はどうなるのか

2019年の現場の予定はもう現在出ている追加公演で確定だろう(あとはワクワク学校か)。2020年にツアーをやるのかは不明だが、予想としては新国立競技場でのライブはあり得ると考えている。オリンピックにも何かしらの形で関わるのではなかろうか。2019年中にベストアルバムが絶対出ると思っていたのだが、もしかしたら2020年の活動休止に合わせてのリリースになるかもしれない。2020年の大晦日の紅白からのジャニーズカウントダウンでフィナーレか(紅白の個人司会も2020年でちょうど終わる)。(あくまで予想なので悪しからず)

 

○2021年以降のジャニーズはどうなるのか、どうすべきか

そもそもこの1年間でさえ1年前には想像もつかなかった出来事が起こりすぎているから、2年後なんてもっと想像がつかない。誰がいなくなって誰がデビューするのか。誰が推され、誰が勢いづくのか。ジャニーズでダントツの稼ぎ頭がいなくなるから、デビュー組の年齢が上がってる今一刻も早く若い後輩育成が求められることは確かだけど(これからデビューする新グループ含め)。

 

ジャニオタとして色々と考えてしまう一方で、やはり人生の半分を嵐と一緒に過ごしてきた自分にとって、嵐の活動休止は最早自分のアイデンティティの喪失のような、自分のスピリットの根底を揺るがすような一大事件だった。その日の夜は一睡もできず、1月28日をどうやって生き抜いたか覚えてない(大学の友人曰く、「生気を失っていた」とのこと)。普段なら目覚まし時計2個使っても起きないくらい熟睡する私が、1週間くらい明らかに睡眠が浅く、特にトイレに行きたいわけでもないのに真夜中に目が覚めた。自分にとってあまりにも身近すぎてなかなか感じることのなかった、「自分の中での嵐という存在の大きさ」を痛感したお知らせでもあったのかもしれない。

 

先日結果発表があったジャニーズ楽曲大賞2018の未音源化部門1位に輝いた嵐の「5×20」のピックアップコメントに、このような言葉があった。

 

 

見知らぬどなたかの言葉なのだが、自分の気持ちをまさに代弁していた。このコメントが活動休止発表前に綴られたものだというのだから切なすぎる。

 

今日で2020年12月31日まであと692日だそうだ。なんだかこう見ると結構すぐにきてしまいそうな感じがする。青春と区切りをつけるカウントダウンが始まっている。